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第280回見学会「東三河・作手の城郭群」(R7.3.23)の報告

塞之神城の主郭と土塁

塞之神城の主郭と土塁

文珠山城の主郭

文珠山城の主郭

亀山城の虎口

亀山城の虎口

古宮城の虎口から入城

古宮城の虎口から入城


令和7年3月23日(日)、当初予定から1週間遅らせて、「東三河・作手の城塞群」と題した第280回見学会を実施しました。参加者は途中合流者を含めて17名でした。
例によって市沢さんのバスにて午前8時より若干早く静岡駅北口を出発。当初ルートを変更して東名高速豊川ICから国道151号線、301号線を経て「つくで手作り村」へと向かいました。予定より大幅に早く到着したため、「つくで手作り村」の向かいにある石橋城を先に見学することとしました。現在、慈昌院となっている現地は周りよりも一段高く、境内の背後にはかなり立派な土塁が現存し、さらにその外側には堀もみられ、目の前の作手街道との関係性がうかがえました。
この後、一旦「つくで手作り村」に戻り、バスで古宮城近くまで向かい、作手街道を挟んで古宮城と反対側の登り口から塞之神城を目指しました。ここから善福寺まではハイキング道が整備されており、30分程度で塞之神城の城域に入ると、曲輪、土塁、堀切、竪堀が効果的に配置されていました。参加者の関心は高く、予定していた見学時間を大幅にオーバーするほどでした。
次に文珠山城を訪ねました。塞之神城から続くハイキング道を20分ほど進むと、城の東端に設けられた堀切に到達し、横堀が本曲輪を取り囲んでいます。土橋を渡って本曲輪に入ると小さな祠(文殊堂)が建っているほか、木造の展望台がありましたが老朽化で登ることはできなくなっていました。本曲輪で昼食をとり休憩の後、善福寺方面へ下山しました。
善福寺を経由して再度「つくで手作り村」に戻ると、すぐ裏手の亀山城を見学しました。
前回の見学会のときからはかなり変わっており、公園化が進んで本曲輪までの道がコンクリート舗装になっていました。本曲輪に入るまでの、また北東方向から二の曲輪に至る防御の構えのほか、本曲輪や二の曲輪を取り巻く土塁やその外側の南から東にかけて巡る堀など見どころがありましたが、東曲輪といわれる低い土塁で囲われた区画はその機能的な位置づけがよくわかりませんでした。
最後は再度バスで古宮城に向かいました。南の神社から1時間の自由見学とし、参加者は
曲輪やその仕切土塁、城域を二分する大堀切、全域に張り巡らされているといってもよい空堀と土塁を堪能していました。土の城の最高傑作ともいえるこの城について、もっと時間が欲しいとの声も一部であったようです。
この後、「つくで手作り村」にてお土産を購入するなどして、往路と同じルートで帰路につきました。
今回は各城ともほぼ自由見学の形になりましたが、参加者はそれぞれ縄張図を見ながら見学してそれぞれの思考を深めておられるようでした。(澤田孝治)
 

最終更新日:2025-04-06